elderlyママのぼやき

元銀座のママです。長年続けてきたナイトクラブを令和2年4月3日に閉店しました。以降、地方に暮らしながら農作業と母親の介護に励んでいます。

2020-01-01から1年間の記事一覧

蛇男

虫酸が走るほど嫌いな男が銀座にいます。 彼は八丁目でホストクラブまがいの『ボーイズバー』をやっています。 何故この男を毛嫌いするかと言うと、友人のママの店を乗っ取ったろくでなしだからです。 彼はボーイとしてママの店に雇われると3年ほど真面目に…

おもいで酒

日本酒が大好きです。 何かとこじつけて毎日飲んでいます。 ありがたいことに肝臓も中性脂肪も正常値なので、水商売は天職と調子をこいているわけです。 日本酒を飲むようになったのは銀座で働き始めた20代の後半からです。 長年飲んでいるので、各県を代表…

泣いてしまいました

昨日の営業中泣いてしまいました。 お帰りの時にお客様が、「財布がない!」 と騒ぎ出したのが発端です。 お客様は、当店に預けたカバンの中に入れてあったと言って聞きません。「間違いないよ! 確かに入れたんだから!」 カバンの中身をカウンターの上に広…

ちょっとだけバブルが恋しいです

当店がオープンしたのは、西暦ですと1986年、和暦ですと昭和61年です。 バブルはこの翌年から始まりました。 当時の活況は半端なく、どの通りも飲み歩く人、人、人であふれ返っていました。 友人や親戚には、「儲かっていいわね」「あやかりたいもんだわ」 …

決断の時

営業中、同じビルで店をやっている若いママが訪ねて来ました。 深刻そうな面持ちで、「今週いっぱいで店を閉めることになったので挨拶に伺いました」 ペコリと頭を下げられました。「それでこれ、八戸名産の『せんべい汁』と『サキイカ』なんですけど良かっ…

苦い悔恨

7丁目の角に白亜のしゃれたビルがあり、そこの一階に高級時計で知られたピアジェのショップがありました。 今は子供服の店に変わりましたが、当時、このピアジェの前をねぐらにしていたホームレスがいました。 小柄で痩せ細り、目だけがギョロリと鋭く、まる…

虚言癖

夜の銀座には、虚言癖のママやホステスたちが大勢います。 黒服などの男性スタッフもです。 虚言の中で圧倒的に多いのが学歴詐称です。 高校もまともに出ているかわからないボーイやホステスが、有名私大に通っていたと大嘘をつきます。 銀座で飲むサラリー…

因果応報

先輩のA子ママには30才になる一人娘がいます。 何度か会っていますが、なかなかの娘です。 これまで一度も定職についたことがなく、お金がなくなると母親にせびりに来るという生活を繰り返しています。 いつでしたかママの店で飲んでいた時、この娘がホスト…

スピリチュアルを信じます

時々、目に見えない何かに守られている感じがします。 例えばこうしたことがありました。 当店はテナントビルの地下一階に入居しているのですがある時、頭上に店舗を構えていた『稲庭うどん屋さん』の厨房の水道管が破裂して水害をこうむりました。 天井の一…

宮本さんを紹介します

お客様の宮本さんは50才ちょうどで、生命保険会社に勤めています。 中学1年と高校2年の息子さんを持つシングルファザーです。 7年前に奥さまを亡くされて以来、お一人で子育てされています。 モテ男の宮本さんがその後再婚せずに独り身を通して来たのには理…

誰のために何のために

今書いているこのブログは母親のために始めました。 店をオープンしたのは1985年(昭和61年)の3月3日ですが、その時母は店を見に来ませんでした。 同居していたのですが何かとぶつかり、うまくいっていなかったので来づらかったのだと思います。 私も積極的に…

ママたちの副業

妹分のママがいます。 なかなかのやり手で当店の倍ほどの高級クラブを経営しています。 去年の2月、副業で寿司やを始めたのですが、一年を待たずしてもう閉めるそうです。 うまく行かなかったということです。「でもどうして寿司やを始めたの? 今のクラブを…

女の客引き

店の前に立っていると、「今日もダメだわねぇ。歩いてるのは中国人ばかりで…」 ぶつくさ言いながら派手な着物を着た、初老の女性が寄って来ました。 彼女は清乃と言って、女だてらに客引きをしています。 ホステス時代の大先輩です。 彼女は店を持つことなく…

きゅうくつなポジション

お客様のMさんがご昇進されたのは昨年の秋です。 それまでの資材部長から常勤監査役への異動で、大抜擢だったそうです。 監査とは、会社が健全に経営されているか、不正がないかをチェックする部門なので、当然ご自身も清廉であらねばなりません。 それまで…

チーフたちのリストラ

銀座の街から男性スタッフが減っています。 ことカウンターチーフが顕著です。 景気が悪化する中で、戦力であるホステスを削るわけにはいかず、女性で代用のきくチーフが犠牲にされているのです。 先週、知り合いのマスターから電話があり、「ママの店でチー…

ご祝儀はずみます!

当店のS子が結婚するそうで、報告をもらいました。 お相手はテレビ局にお勤めのサラリーマンで、二年お付き合いしてのゴールインだそうです。 彼女の結婚報告で何が嬉しかったかと言いますと、「ママ、これ」 と結婚式の招待状を渡されたことです。「必ず出…

高額な飲食代

夜の銀座には常軌を逸しているとしか思えない、高額な飲食代を請求するお店があります。 一流クラブとか高級クラブとか呼ばれる類の店ですが、同業者の私からしても呆れ返ることしばしばです。 いつでしたか、『かりそめ天国』というテレビ番組で、ピン芸人…