チーフたちのリストラ
銀座の街から男性スタッフが減っています。
ことカウンターチーフが顕著です。
景気が悪化する中で、戦力であるホステスを削るわけにはいかず、女性で代用のきくチーフが犠牲にされているのです。
先週、知り合いのマスターから電話があり、
「ママの店でチーフ使わない? いいやつがいるんだけど」
話を聞くとそのチーフ、長年勤めたにもかかわらず、
「来年から女性だけでやるから」
と店のママにリストラを言い渡されたそうなのです。
「歳は50ちょっとで食ってるけど、客もついてるし、大箱でメインでやってたキャリアもあるんだよ」
グイグイ押して来られましたが、
「うちは男性を入れる余裕がないので」
正直に話して断りました。
チーフがいたらそれは楽なのはわかっています。
リーマンショック前まで当店にもチーフがいて、開店準備から洗い物、掃除、伝票計算に至るまでをやってもらっていましたから。
それでもギリカツでやっている今、無理は禁物です。
そう言えば知り合いのママも、今いるチーフを辞めさせたいと言っていました。
彼女の店は当店と違ってうまくいっているので不思議に思って、
「どうして?」
と聞くと、経費上の問題ではなく、チーフの審美眼に不信感があるからだそうです。
「私は銀座っぽい、雰囲気のある女性が好きなのに、あのチーフ、巨乳ばかり連れて来るのよ。それもスリムならともかく、揃いも揃ってデブで、顔だって可愛くないし、もう店の雰囲気めちゃくちゃよ!」
ぶちギレていました。
「でもそれで店がはやってんならいいじゃないの? 巨乳好きのお客さんは多いんだし」
慰めたつもりが、
「チーフと同じこと言わないでよ!」
怒られてしまいました
好きなタイプの女性を入店させたがるのは男性スタッフのあるあるなので、そのチーフもおっぱい星人なのかもしれません。
結局はそのチーフは巨乳ちゃんたちを引き連れて別の店に移ったそうです。
「せいせいするわ。銀座だってこと忘れないでもらいたいわね」
最後まで強気なママでしたが、巨乳ちゃん効果で潤っていたのにもったいない気がしてなりません。
これからお店が暇にならないといいのですが…。