ふつうのおばさん
先日、おもしろいYouTube動画に出くわしました。
夜の銀座の今を、それもナイトクラブに特化して発信しているチャンネルです
昔から銀座を飲み歩いているという中年男性が配信しているのですが、◯◯クラブの黒服はコロナ感染したのに隠しているとか、しょっちゅうテレビに出てる有名ママは嘘つきだとか、歯に衣着せぬ物言いでなかなか楽しめます。
登録者数も多いようです。
少し前、彼は、
『銀座のママたちはなぜ店をやめないのか?!』
といったテーマを配信していました。
このコロナ禍でやるだけ赤字なのに、フェイスシールドを着けたり、アクリル板を設置してまでなぜ続けるのか?!
意固地なまでに店をやめようとしないママ連中をやり玉にあげていました。
そして彼は、ママたちが店をやめないその理由を、
「普通のおばさんになるのが怖いからだ」
と、一刀両断していました。
赤字だろうが『3密』と指さされようが、とりあえず銀座で店さえ続けていれば周囲はチヤホヤしてくれるし、従業員だっていうことを聞いてくれる。
少ないながらやって来る客もゼロではない。
しかしながら、店をやめたらそれらの全部は消えてなくなるのだ。
それが彼女たちは怖いのだ。
YouTuberの男性はこのように分析していました。
だてに銀座で遊んでいない、なかなか鋭いおじさんだと思いました。
銀座を去ってまもなく3ヶ月になります。
今の私は、結い上げるために切りたくても切れなかった長い髪をショートにして、化粧も一切しません。
農作業で日焼けしても気にならないし、身なりも特にはかまいません。
どこから見ても年相応の普通のおばさんです。
「少し前まで銀座でママをしていたのよ」
と言ったところで誰も信じないでしょう。
でも幸せに、おだやかに暮らせているおばさんです。
さざ波の立たない今の暮らしをこわさないように大事にしています。
このYouTuberの男性が、
「何でもいいので、質問やご意見をお寄せ下さい」
と動画の最後に必ず言います。
「元銀座のママです。ふつうのおばさんに戻るのも悪くないですよ」
とコメントしようと思いましたが、やっぱりやめました。
閉店する時、仲間のママ友に、
「一緒にやめようよ! コロナが怖くないの!?」
真剣に提言したところ、
「よけいなお世話よ! あんたと私は違うのよ!」
般若のような顔で怒鳴られたのを思い出したからです。