elderlyママのぼやき

元銀座のママです。長年続けてきたナイトクラブを令和2年4月3日に閉店しました。以降、地方に暮らしながら農作業と母親の介護に励んでいます。

決断の時

f:id:ElderlyMom:20200304165806j:plain 営業中、同じビルで店をやっている若いママが訪ねて来ました。

 深刻そうな面持ちで、

「今週いっぱいで店を閉めることになったので挨拶に伺いました」

 ペコリと頭を下げられました。

「それでこれ、八戸名産の『せんべい汁』と『サキイカ』なんですけど良かったらもらってくれませんか?」

 両手に下げていた大きな紙袋を手渡してくれました。

 お客さんに配るよう、故郷の親御さんが送ってくれてたものだそうです。
 
 彼女が店を始めたのは二年ほど前だったでしょうか?

 その時も挨拶に来てくれて、

「銀座に店を持つのが夢だったんです! 頑張ります!」
 
 瞳をきらきらさせていました。

 店をやめる理由を訊ねると、やはり新型コロナウイルスの影響でした。

「やめたくはないんですけど、両親が心配してすぐに帰って来いと言うし、友人たちも青森は感染ゼロだから安全だと言ってくれるので…」

 このところ、彼女のように店を畳んだり、休業する店が相次いでいます。

 テレビもまた連日コロナウイルス一色です。

 今日は何人感染したとか、何人亡くなったとか見ていて怖くなります。

 このまま女性たちを出勤させていいものか?

 お客を受け入れていいものか?

 悩んでしまいます。

 安全を考えたら早期の決断が必要です。

 本音を言えばやめたくない気持ちでいっぱいです。

 もう少したてば、特効薬が出来たりして終息するのではないか?

 その時、閉店してしまっていたらひどく後悔するのではないか?

 あれこれ考えて揺れ動いています。