ちょっとヤバイ話
朝散歩を始めました。
海沿いを30分ほど歩くだけですが、何とも気持ちのいいものです。
今朝は朝陽も海風も心地いいので足を延ばしてこの地の警察署まで来ました。
この警察署は浅田次郎さんの名作とされる短編小説にも登場しています。
裏社会に生きる男が主人公の話ですが、浅田次郎さんは作中で、この地にも暴力団が実在したことを明かしています。
借金にしばられた外国人女性が働かされていた売春宿も紹介していて、見に行って来ましたが、描写通りの白い建物が田んぼを背景に確かに立っていました。
風光明媚で、平和そのもののこの町にヤクザがいてしのぎを削っていたことには驚ろかされます。
ヤクザというのはどの地にも巣を張るようで、この4月まで店をやっていた銀座にも組織がありました。
知る人ぞ知る『指定暴力団××会』の本拠地で、当店のはす向かいの所有ビルに事務所を構えていました。
駐禁にもかかわらず、ビルの前にはブラバスだのマイバッハ、ベントレーなどの高級車が日替わりで路駐していました。
ナンバーのついていないフェラーリが止まっていることもあり、
「あれで公道を走れるの?」
謎に思ったものです。
自転車に乗ったパトロールの警官は毎回見て見ぬふりでした。
構成員はうろちょろしていたので珍しくはありませんが、めったに姿を見せないトップの会長がボディーガードに囲まれて表に出て来る時はさすがに辺りがざわつきました。
「あれが七代目か?」
「すごいオーラだな」
「闘犬みたいなつら構えしてるな」
通り合わせた通行人は足を止めて見入っていました。
気づかれないようこっそりと写真を撮る人もいました。
店が近くにあったせいで、公安に協力を頼まれたり、幹部とも顔見知りになって話しかけられたりと、それなりにヤバい思いもありましたがそれはそれで銀座時代の貴重で(?)アウトな一ページです。
いつかそれらもまたなつかしく思い出すかもしれません。