老親を泣かせてしまいました😢💧
93歳にもなる母親を泣かせてしまいました。
泣かせるつもりはなかったのですが、不用意な私の物言いが原因でした。
「ねぇ、おかあさん。もしもだけど私がおかあさんの面倒をみれなくなったらどうする? 施設に入る? それとも『和雄』に来てもらう?」
和雄というのはこの10年音信不通になっている私の兄です。
何の悪気もなく発した言葉だったのですが、母は私に見捨てられると勘違いしたらしく、
「あんたの人生なんだからあんたの好きにしたらいいじゃないの! 私は一人で生きて行くわよ!」
強い口調で返して来ました。
目元は真っ赤に充血して今にも涙を落としそうでした。
「何を言ってるの? そういう意味で言ったんじゃないわよ」
なだめてもしばらくは落ち着いてくれませんでした。
先月、私は持病の貧血を再発させて丸一日動けずにいました。
この時、ベッドに横たわりながらあれこれ考えさせられました。
我が家は『老老介護』です。
娘の私が先に逝かないとも限りません。
そうなったら母はどうなるでしょう?
話し合っておかなければと思ったのでした。
母親を泣かせたのはこれで二度目です。
以前読んだ、リリー・フランキーさんの『東京タワー』に、
「母親を泣かすのはこの世で一番いけないことです」
と書かれてありました。
当時、一人息子にも読ませて、
「わかった? 母親を泣かせたらダメなのよ!」
脅したものでしたが、その私がまたも親を泣かせてしまいました。
大好きなお酒もやめて、ショックな言動は老親の命取りになると心して、そうして臨んだ介護だったのに…。
あの時の母の顔には、不安も恐怖も失望もありました。
あれから意識して、
「私はどこにも行かないからね。追い出されたって行くとこないんだから」
同じ言葉をことあるごとに繰り返しています。
一日も早く母に安堵を取り戻させたいからです。