elderlyママのぼやき

元銀座のママです。長年続けてきたナイトクラブを令和2年4月3日に閉店しました。以降、地方に暮らしながら農作業と母親の介護に励んでいます。

老親を泣かせてしまいました😢💧

 93歳にもなる母親を泣かせてしまいました。

 泣かせるつもりはなかったのですが、不用意な私の物言いが原因でした。

「ねぇ、おかあさん。もしもだけど私がおかあさんの面倒をみれなくなったらどうする? 施設に入る? それとも『和雄』に来てもらう?」

 和雄というのはこの10年音信不通になっている私の兄です。

 何の悪気もなく発した言葉だったのですが、母は私に見捨てられると勘違いしたらしく、

「あんたの人生なんだからあんたの好きにしたらいいじゃないの! 私は一人で生きて行くわよ!」

 強い口調で返して来ました。
 
 目元は真っ赤に充血して今にも涙を落としそうでした。

「何を言ってるの? そういう意味で言ったんじゃないわよ」

 なだめてもしばらくは落ち着いてくれませんでした。

 先月、私は持病の貧血を再発させて丸一日動けずにいました。

 この時、ベッドに横たわりながらあれこれ考えさせられました。

 我が家は『老老介護』です。

 娘の私が先に逝かないとも限りません。

 そうなったら母はどうなるでしょう?

 話し合っておかなければと思ったのでした。
 
 母親を泣かせたのはこれで二度目です。

 以前読んだ、リリー・フランキーさんの『東京タワー』に、

「母親を泣かすのはこの世で一番いけないことです」

 と書かれてありました。

 当時、一人息子にも読ませて、

「わかった? 母親を泣かせたらダメなのよ!」

 脅したものでしたが、その私がまたも親を泣かせてしまいました。

 大好きなお酒もやめて、ショックな言動は老親の命取りになると心して、そうして臨んだ介護だったのに…。

 あの時の母の顔には、不安も恐怖も失望もありました。

 あれから意識して、
 
「私はどこにも行かないからね。追い出されたって行くとこないんだから」

 同じ言葉をことあるごとに繰り返しています。

 一日も早く母に安堵を取り戻させたいからです。