息子への想い
42歳になる息子がいます。
ひとり息子です。
独身ですが、この先も結婚する気はないそうです。
つきあっている彼女がいますが、この彼女とも結婚しないと言います。
「俺は結婚に向いてないし、彼女をしあわせにする自信もないから」
だそうです。
息子は父親というものを知らずに育ちました。
彼が1才の時に離婚しているからです。
「おとうさんがいなくてごめんね」
息子にはことあるごとに詫びて来ました。
母親の職業を理解出来るようになった頃は、
「おかあさんがホステスでイヤじゃない? いじめられたりしない?」
肩身の狭い思いをしているんじゃないかといつも気がかりでした。
子育てには全力で取り組んだつもりです。
息子は、親の心配をよそにちゃんと育ってくれました。
時々、
息子が結婚しようとしないのは、親である私のせいではないか? と考えることがあります。
父親がいなかったので、
肩車をしてもらったり、キャンプに連れて行ってもらったり、お風呂で背中の流しっこをするなどの経験が息子にはありません。
父親不在が彼に及ぼしたものは大きかった筈だし、そのせいで家庭というものに夢を持てないのかもしれません。
息子とは仲良しですが、結婚に関してだけはあれこれ言えずにいます。
ネガティブですが、息子への負い目のせいです。
本当は孫が欲しくてたまりません。