elderlyママのぼやき

元銀座のママです。長年続けてきたナイトクラブを令和2年4月3日に閉店しました。以降、地方に暮らしながら農作業と母親の介護に励んでいます。

愛社精神

 すぐ隣がセブンイレブンなので、毎日のように買い物に行きます。

 必要なものを買った後、最後は必ず菓子売り場に回ります。

 M社のチョコレートを買うためです。f:id:ElderlyMom:20200930085836j:plain

 M社には大変お世話になりました。

 特に『菓子営業部』にいらしたTさんには足を向けて寝られないほどです。

 Tさんの自社の菓子に向けた愛情は半端なく、

「一日一個はうちの菓子買ってくれよ」
 
 だの、

「新商品はコンビニで買ってくれたら嬉しいよ」
 
 だのと、来店されるたび女性たちにセールスしていました。

 私にも、

「このチョコはカロリーが低いからメタボのお客さんに出したら喜ばれるよ」

 アピールしていました。

 ほだされて、いつしか当店のおつまみのほとんどはM社のものに変わってしまいました。

 10年ほど前M社は、経営統合してホールディングスを設立、社名も変更して大変容を図りました。

 すると新体制のもと、Tさんは引き上げられて執行役員に抜擢されました。

 誰もが予想できなかった異例の人事だったそうです。

 昨今は、

愛社精神なんて気持ち悪い。死語。」

「今どきそんなこと言うやついない」

 といった風潮らしいです。

 会社もブラックだったり、守ってくれなかったりで考え方は人それぞれだと思いますが、でもあそこまで純粋に愛社精神を貫いたTさんは幸せだったと思います。

 今は大出世されて偉い椅子に座っています。

 当店からは足が遠退きましたが、彼が口癖のように話していた言葉は消えません。

 菓子を食べながら喧嘩するやつはいないし、戦争するやつもいない!

 菓子は世界に貢献しているんだよ!

 本当にそうですね、Tさん。

 私はこれからもTさんを思い出しながら御社のお菓子を買い続けますよ。