elderlyママのぼやき

元銀座のママです。長年続けてきたナイトクラブを令和2年4月3日に閉店しました。以降、地方に暮らしながら農作業と母親の介護に励んでいます。

自慢話ばかりして恥ずかしくないの?

 昨日のお客には恐れ入ってしまいました。

 紹介で来られた50代半ばくらいの投資家ですが、2時間ほどいて最初から最後までずうっと自慢話ばかりしていました。

 愛人が2人いてどちらにも湯水のごとくお金を使わせているとか、高級外車を家族分所有しているとか、有名人と撮った写真なども見せびらかしていました。

 お客の自慢話には慣れていますが、ここまでのお客は珍しいです。

 自慢話をしたがる男は自己顕示欲が強く、自分を大きく見せたいからだそうですが、自分の娘と同じ年頃の女性たちの前で恥ずかしくないのでしょうか?

 仮にその通りのお金持ちだとしても、稲穂を垂れて謙遜しているくらいの方が好感を持たれるというのがわからないのでしょうか?

 度を越した自慢話は、耳が汚れるというか不快にもなりますが、こうした折りに感心するのは当店の女性たちの接客力です。 

 自慢話ばかりを聞かされるのは苦痛でしょうに、

「ステキですね!」

「うらやましいです!」
 
 自然な笑顔で受け止めます。
 
 神対応です。

 すばらしいです。
 
 これが高級クラブのホステスなら、作り笑顔とほめ言葉で場は濁さないものの、内心ではとことん見下します。

「あんたくらいの金持ちは銀座には普通にいるのよ」

「もっと金使ってから言いなさいよ」

 といったふうにです。
 
 ホステス時代の私がそうでしたからよくわかるのです。

 客の自慢話にうんざりして、更衣室で盗み酒を飲んでいる私とは裏腹に、一生懸命やってくれる彼女らには本当に頭が下がります。

 当店はこの子たちのおかげでやれているし、彼女たちは紛れもなく徳を積んでいます。